パソコンを経費購入したい時の勘定科目と仕分け方【重要な境は10万円】

2020年9月12日

 

「パソコンを買う時、経費で処理したいんだけど基準の出し方とか細かいところが分からない」
「パソコンを経費処理するときの勘定科目ってどこになるの?そういうの具体的に知りたい」

 

今回はこのような疑問や悩みについてお答えしていきます。

 

企業経営をされてる方はもちろん、最近だとフリーランスや副業で個人事業主となって活動されてるかとも増えてきています。

そうなるとお金関係の申告というのは必ずついて回ってきます。

今回の記事ではパソコンに関する記事としてパソコンの「経費処理」と「勘定科目」「仕分け」といったテーマで解説していきます。

私自身は雇用されていた側なので、自分で書類を書いたり申告したりする機会は両手で数えれる程度しかありませんが、パソコンのサポート業務約10年以上の間でお客さんからそういった経費絡みの質問を幾度もお答えしてきましたので知識として備えています。

この記事を読んでいただければパソコンを経費で買いたいと考えている方、すでに購入した方も困ることなく処理が出来るでしょう。

それでは本文へどうぞ。

 

パソコンを経費購入したい時の勘定科目と仕分け方【まずは取得価額を算出】

 

初めに「取得価額」を算出しないといけませんが、取得価額は

取得価額 = 購入代価 + 付随費用という計算になるので順番に見ていきましょう。

 

購入代価の算出

 

購入代価というのは購入品の価格(購入代価)です。

具体例としてはパソコン本体そのものが該当しますね。

複数台買った場合はどうなるかという点は後述します。

続いて付随費用についてです。

 

付随費用の算出

 

付随費用というのは購入品の使用開始に直接要した費用や購入の為に要した費用の事です。

具体例として、上記と同様パソコン本体を購入したとしてそこに運送保険料や運送料がかかった場合それが付随費用になります。

 

取得価額の算出

 

取得価額は購入代価と付随費用を合わせたものです。

つまり取得価額 = 購入代価 + 付随費用となるわけですね。 

国税庁では「取得価額は、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します」と紹介されており、この1単位という考え方が肝になります。ここは具体例を二つ挙げて解説しますね。

 

具体例:1

¥80,000-のノートパソコンを会社用に4台(4人分)購入した場合、合計金額は¥320,000-となりますが1単位の取得額は¥80,000-となり、¥320,000-ではありません。

この場合1台で1単位となるので¥80,000-が取得価額になります。

 

具体例:2

  • デスクトップ本体:¥80,000-
  • ディスプレイ:¥20,000-
  • 増設用メモリ:¥5,000-
  • セキュリティソフト:¥6,000-
  • キーボード:¥5,000-
  • マウス:¥4,000-
  • 送料:¥2,000-

合計で¥122,000-の購入ですがこれは1単位で計算されますので¥122,000-が取得価額になります。

何故かというと、この組み合わせて1台のパソコンとして使用するからです。

このように品目が複数であっても明らかに1台として組み合わせて使用する場合は、組み合わせたものが1単位となります。

なので具体例:1のノートパソコンで合ってもメモリ増設やセキュリティソフトといった組み合わせて使うものであれば1単位にまとまります。

これが1単位という考え方が肝といった意味です。

 

税込み?それとも税抜き?取得価額はどっち?

 

消費税を含めるかどうかは納税者の経理方式によります。税込経理であれば消費税を含んだ金額、税抜経理であれば消費税を含まない金額で判定します。

つまり、処理する人次第ということになるわけですね。

 

パソコンを経費購入したい時の勘定科目と仕分け方【取得価額ごとの処理方法】

 

では、取得価額の算出が出来ましたので金額ごとに合わせた勘定科目で処理をします。

早見表を用意しましたので、これでざっくり適用できる勘定科目を把握しましょう。

1単位あたりの
取得価額
消耗品費工具器具備品
もしくは
一括償却資産
工具器具備品少額減価償却固定資産
10万円未満
10万円以上20万円未満〇※
20万円以上30万円未満〇※
30万円以上

※少額減価償却資産の特例処理は中小企業等(従業員の数が1000人以下の法人)で青色申告を行っていることが条件

こんな所ですね。

あとは減価償却について少しだけ触れていきます。

 

一括償却資産処理について

 

取得価額が10万円以上20万円未満の資産(パソコン)に対しては、3年で均等償却できる規定を選択することができます。

また、期中で購入したパソコンについて1年分を費用計上できるため、3月決算の企業様は3月中に購入のパソコンも対象となります。

 

少額減価償却資産の特例処理について

 

パソコンの購入金額が10万円以上~30万円未満の場合は、少額減価償却資産の特例を利用することで、全額をその年度の経費とすることができます。

従業員が1000人以下という条件なので、青色申告をしている個人事業主やフリーランスであれば利用することができるでしょう。

ただし、無制限に利用できるわけではなく、上限が300万円までとなっています。

勿論、通常の減価償却を選択することも可能ですが、少額減価償却資産の特例を摘要すれば節税効果が大きいので、条件を満たす場合は検討すべきかと思います。

 

まとめ:パソコンを経費購入したい時の勘定科目と仕分け方

 

  • 取得価額を算出する必要があるが「購入代価 + 付随費用」で計算する
  • 取得価額は1単位(1台のパソコンとして組み合わせれる)ごとで計算する
  • 勘定科目は主に10万円区切りだが中小企業で10万円以上30万円未満であれば少額減価償却資産の特例を推奨

 

今回は、パソコンを購入した際の経費処理の仕方や勘定科目の適用についてお話ししましたが如何でしたでしょうか?

正直、漢字だらけの計算だらけ、そして決まり事だらけで結構苦しい部分だったと思います。

しかし、個人事業主やフリーランスの方でも正しく活用すれば節税に繋がる部分があります。

正しく理解して処理できるようにこの記事が少しでも参考になったのであれば幸いです。

今後は、パソコン購入後の経費処理もしっかりできるようになりますね。

それでは、これからも快適なパソコンライフを送ってください。

 

 

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