私のパソコンにグラボは必要?【結論:用途次第なので元プロがお答えします】
「パソコン買う時にグラボがいるとかいらないとかたまに聞くけど、必ずついてないといけないのかな?」
「自分の仕事ってグラボ必要なのかな?ついてるモデルかったら速くなるのかな?」
「ゲームやるにはグラボが必須って聞くけど、どのあたりのパソコン買えばいいのかとかわからないや」
今回はこのような疑問や悩みについてお答えしていきます。
パソコンを買う時や買い替えを検討される時、もしくは自作に興味があったりされてる方は「グラボ」つまり「グラフィックボード」の事ですね。
この単語を耳にすることが多いことでしょうが、具体的な性能の見方や比較の仕方はご存じない方が多いのではないでしょうか?
グラボの場合は特にCPUやメモリと違い必須パーツという訳でもないので、そもそも用途によっては自分のパソコンには不要の場合もあります。
私はパソコン販売やサポート業務で10年以上の経験と知識がありまして、今でもパソコンを自作したり部品交換の相談を受けたりもしています。
今回の記事では、そんな私がグラボが必要、不要かを表で区分けして紹介します。更に詳しいことを知りたい方向けにグラボの性能の見方や選び方も解説します。
読み進めていただくことでグラボの理解が深まり、自分で比較して選ぶことが出来るようになるでしょう。
それでは本文へどうぞ。
用途別グラボの必要、不要の早見表【パソコン選びの助けになります】
ここでは、グラボが必要か不要かを早見表で一気に紹介しますね。あなたが今メインで行っている作業がグラボを必要としているのかしていないのか、これをみてパパっと判断しましょう。
グラボ不要 | なくてもOK、あるとより快適 | グラボ必要 |
---|---|---|
書類作成 (ワード、エクセル パワーポイント等) ブログ運営 インターネット閲覧 動画視聴 (YouTube等の閲覧等) | 写真画像の加工 プログラミング (webサイトや、アプリ開発) 比較的軽めな動画加工 (フリーソフト系) CAD系の図面作成 ブラウザ系等の軽めなゲーム | 大人数が同時に画面に集まる 大規模オンラインゲーム プロレベルの徹底的な動画編集 3Dゲームプログラミング 3DCAD等のモデリング系作業 いろんなアプリを 同時起動して作業したい人 (複数ゲーム同時起動等の廃人向け) |
表で区分けするとこのような分かれ方をします。
この中で判断が難しめなのはプログラミング、動画編集、ゲームの3つですね。
一言でゲームといっても要求される性能はゲームそれぞれ、プログラミングも開発ジャンルによって変わってきますし、動画編集もどこまでの機能を使ってどの程度まで手を加えていくかで変わってきます。
なので、最初のざっくりな判断の仕方としては「3Dが関わりそうだったらグラボ必要っぽい」と考えておいてください。
グラボを基準にしたパソコンの選び方【目的のソフトの仕様を確認】
ここでは、グラボを基準にしてパソコンを選ぶ場合のコツを紹介します。
私が接客、サポート時にもよく案内をしていたので参考になるかと思いますよ。
まず用途を明確にします、「何がしたいか?」ですね「○○というゲームがやりたい」「自分で撮影した動画を編集したい」「この編集ソフトを使いたい」等、かなり具体的な用途があるはずです。
今回はゲームの例を挙げますね。
例:パソコン版「モンスターハンターワールド:アイスボーン」(通称:MHWI)がやりたいという方
まずはMHWIを動かす環境を確認します。
※必須環境※
OS | WINDOWS®7, 8, 8.1, 10 (64-BIT 必須) |
---|---|
プロセッサー | Intel®Core™ i5 4460 or Core™ i3 9100F or AMD FX™-6300 or Ryzen™ 3 3200G |
メモリー | 8GB RAM |
ストレージ | 48GB 利用可能(High Resolution Texture Pack適用時は+45GB) |
グラフィック | NVIDIA®GeForce®GTX 760 or GTX1050 or AMD Radeon™ R7 260x or RX 560 |
DirectX | Version 11 |
サウンドカード | DirectSound対応(DirectX®9.0c以上) |
ネットワーク | ブロードバンドインターネット接続 |
備考 | グラフィック「低」設定で、1080p/30fpsのゲームプレイが可能。 64ビットプロセッサとオペレーティングシステムが必要です。 |
※推奨環境※
OS | WINDOWS®7, 8, 8.1, 10 (64-BIT 必須) |
---|---|
プロセッサー | Intel®Core™ i7 3770 or Core™ i3 8350 or Core™ i3 9350F or AMD Ryzen™ 5 1500X or Ryzen™ 5 3400G |
メモリー | 8GB RAM |
ストレージ | 48GB 利用可能(High Resolution Texture Pack適用時は+45GB) |
グラフィック | NVIDIA®GeForce®GTX 1060(VRAM 3GB) or GTX 1650 or AMD Radeon™ RX 480 or RX 570 |
DirectX | Version 11 or 12 |
サウンドカード | DirectSound対応(DirectX®9.0c以上) |
ネットワーク | ブロードバンドインターネット接続 |
備考 | グラフィック設定「高」で、1080p/30fpsのゲームプレイが可能。 64ビットプロセッサとオペレーティングシステムが必要です。 DirectX 12 APIを有効にするにはWindows 10(Version 1809以降)とVRAM容量が4GB以上のGPU(グラフィックボード・ビデオカード)が必須です。 |
※高性能環境※
OS | WINDOWS®7, 8, 8.1, 10 (64-BIT 必須) |
---|---|
プロセッサー | Intel®Core™ i5 6600K or Core™ i5 9400F or AMD Ryzen™ 7 1700 or Ryzen™ 5 3600 |
メモリー | 8GB RAM |
ストレージ | 48GB 利用可能(High Resolution Texture Pack適用時は+45GB) |
グラフィック | NVIDIA®GeForce®GTX970 or GTX1660 or AMD Radeon™ RX 580 |
DirectX | Version 11 or 12 |
サウンドカード | DirectSound対応(DirectX®9.0c以上) |
ネットワーク | ブロードバンドインターネット接続 |
備考 | グラフィック「高」設定で、1440p/30fpsのゲームプレイが可能です。 64ビットプロセッサとオペレーティングシステムが必要です。 DirectX 12 APIを有効にするにはWindows 10(Version 1809以降)とVRAM容量が4GB以上のGPU(グラフィックボード・ビデオカード)が必須です。 |
※最高性能環境※
OS | WINDOWS®7, 8, 8.1, 10 (64-BIT 必須) |
---|---|
プロセッサー | Intel®Core™ i7 7700K or Core™ i7 9700F or AMD Ryzen™ 7 2700X or Ryzen™ 7 3700X |
メモリー | 16GB RAM |
ストレージ | 48GB 利用可能(High Resolution Texture Pack適用時は+45GB) |
グラフィック | NVIDIA®GeForce®GTX 1080 Ti or RTX 2070 Super or AMD Radeon™ RX Vega 64 or RX 5700 XT |
DirectX | Version 11 or 12 |
サウンドカード | DirectSound対応(DirectX®9.0c以上) |
ネットワーク | ブロードバンドインターネット接続 |
備考 | グラフィック「高」設定で、4K/30fpsのゲームプレイが可能です。 64ビットプロセッサとオペレーティングシステムが必要です。 DirectX 12 APIを有効にするにはWindows 10(Version 1809以降)とVRAM容量が4GB以上のGPU(グラフィックボード・ビデオカード)が必須です。 |
MHWIを動かすのに上から「必須」→「推奨」→「高性能」→「最高性能」の順で求められる性能が上がっています。
先にこれだけ言っておきますと、グラボを選ぶ場合、必ず「推奨」以上の環境から選んでください。
「必須」もしくは「最低環境」と書かれることもありますがこれは文字通り、MHWIを遊ぶために最低限必要な環境なので快適とは程遠い動作になります。
遊べないとは言いませんが「もっさり感」が普通に出ます。なので「推奨」以上の環境で選んでください。
では、その推奨環境ですが赤文字で括った部分NVIDIA®GeForce®GTX 1060(VRAM 3GB) or GTX 1650とありますがこれが必要となるグラボの名前です。
これと同一の名前のグラボを搭載したパソコンを買えばOKです。
ちょっと細かい話ですが、これと他を比較したい場合はグラボの「1060」や「1650」の数字部分の下2桁に注目してください。
「1060」であれば「60」の部分です。ここが「70」「80」と上の数字であればより高性能品になります。詳しくは後述する「性能の見方」で解説します。
まあ、ぶっちゃけ分からなかった場合の手段としては「お店の人に聞く」ですね「モンハンやりたいんですけど、どのPCがおすすめですか?」みたいな感じで、通販の場合はコラボPCやおすすめゲーミングPCと書かれているものでほぼ対応可能です。
最悪分からなければ私のTwitterに相談いただいても構いませんよ、ちゃんとした質問であればお返しいたします。(たまに露骨な勧誘系DMが来るのでそういうのはスルーしてます、すいません)
本業もあるので即レス出来ないかもですが24時間以内には返信します。
グラボの役割と性能の見方【パソコンのことを詳しく知りたい方向け】
ここではグラボの役割と性能の見方を解説していきます。
細かい話になっていくので「そこまではいいや」って方は読み飛ばしちゃってください。
グラボの役割
グラボは言ってみればCPUのお手伝いさんです。
CPUが「頭脳」とよく例えられ、パソコンの処理全てを一手に担っていますが、グラボは「絵を描く(画面に表示)することを専門の仕事にしているお手伝い」です。
CPUのように何でもは出来ないですが、描写に特化してCPU以上の働きをしてくれるのです。
グラボの性能の見方
グラボの性能の見方を解説します。
ここでは私のPCに搭載しているグラボの型番「GeForce RTX 2070 GAMING Z 8G」を元に解説していきます。
この型番を分解すると「GeForce」「RTX」「2070」「GAMING Z」「8G」の5項目に分かれます。
これを一つ一つ解説していきますね。
用語 | 解説 |
---|---|
GeForce | グラボの頭脳に当たる部分の名前です。正確には「NVIDIA GeForce(ジーフォース)」といい「NVIDIA」という会社が「GeForce」という名前で開発しています。 もう一つ「AMD」社があり「AMD RADEON(レイディオン/ラディオン)」という名前で開発しています。総合的な性能自体はGeForceもRADEONも同程度です。 |
RTX | クラスというべき部分です。GT→GTX→RTXの順で高性能になります。 RTXは現時点での最上位クラスです。 |
2070 | 上の桁は世代を、下の桁がグレードを表します。 「2070」の場合は「2000」番台の世代その前は「1000」番台の世代で更に前は「900」台になります。 下の桁は50→60→70→80と段々高性能になっていきます。 つまり「2070」は「2000」番世代の「70」というハイエンドなグレードになります。 購入当初、このグラボは¥54,000-くらいの価格でした |
GAMING Z | 販売している各メーカーごとの用途を示唆する項目です。千差万別な記載のされ方がありますがこの場合は「ゲーミング」なのでゲーム用にどうぞといったところですね。 |
8G | グラボにはグラボ用のメモリが搭載されています。8Gは「8GB」の事です。 使いたいソフトの推奨環境には、このメモリ量も記載されていることもあるので注目しておくべきポイントです。 |
型番からの性能の見方はこのようになりますね。
他にも細かい仕様が色々書かれていますが、そこは気にしなくて大丈夫です。この項目だけ見れればほぼ失敗しません。
オマケ:グラボの名称について
ここでは「グラボ」といっていますがサイトやショップによって様々な呼称がされていますね。
- グラボ
- グラフィックボード
- グラフィックカード
- グラフィックスボード
- グラフィックスカード
- ビデオボード
- ビデオカード
- GPU
- VGA
列挙しましたが、こんなところでしょうかね?沢山ありますね。
これらは「全て同じ」なので難しく考えなくても大丈夫です。
パソコン選びはグラボだけでは決まらない【他の項目も要チェック】
パソコンをしっかり選ぶとなると勿論「CPU」だったり「メモリ」だったりと見るべきポイントはまだあります。
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【初心者向け】自分に合うCPUはこれ!パソコン選びの重要項目!
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自分のパソコンのメモリは十分?不足?【結論:まずは8GB以上を推奨です】
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HDDとSSDの違いを分かりやすく解説|パソコンや部品選びの参考にどうぞ
こちらの記事で各部品について詳細な説明をしていますのでよかったらどうぞ。
【初心者必読】パソコンのスペック表の中身を解説!全部が分からなくても大丈夫
こちらはスペック全体を見て選べるように執筆しています。
まとめて情報が欲しい場合はこちらの記事のほうがいいかもしれません。
これらは詳細な部分までまとめた有益な記事です。初心者向けにしていますが本記事同様、結構細かいところまで踏み込んでいるので「ちょっと知りたいくらいなんだけどなあ」といいう方は流し読みでささっと流してもらっても構いませんよ。
一気にあれこれ詰め込むと疲れてしまいますし。読める時に興味が湧いたら読んでください。
まとめ:私のパソコンにグラボは必要?【結論:用途次第なので元プロがお答えします】
- グラボの必要、不要は用途次第
- とりあえず迷ったら「3Dが関係したら必要」くらいの認識でOK
- 実際に選ぶ場合は目的のアプリの推奨環境以上から選ぶ
- 型番はクラスと世代とグレードとメモリ量が重要項目
今回はグラボの必要?不要?や詳細な選び方や性能の見方を解説しましたが如何でしたでしょうか?
グラボのことなんてさっぱりという方でも、何となくこういうもんなんだと分かってもらえたのではないでしょうか?
人によってはいらないものですが、ゲームや動画編集になると必須といってもいいのがグラボです。
この記事を参考にしているか?いらないか?性能は十分か?不足か?見比べれるようになってください。
それでは、快適なパソコンライフを送ってください。
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